【スイス】ベーシックインカムの国民投票は反対多数 職が減るリスクや日本での導入は?

スイスのベーシックインカム

スイスでベーシックインカム制度の導入をめぐる国民投票が行われましたが、出口調査では反対多数で否決される見通しだと報道されました。

ベーシックインカムはやはり暴論なのか?それともまだ時期尚早なだけなのか?今回はベーシックインカムの妥当性と日本での導入の可能性について記事にしてみました。

スイスでベーシックインカムの国民投票 反対多数で否決の見通し

スイスでベーシックインカムの世論調査
画像出典 「全員に30万円!?ベーシックインカム導入是非、スイスで国民投票へ」 News i – TBSの動画ニュースサイト

スイスで5日、すべての住民に対して無条件に毎月、一定額を支給する「最低所得保障」(ベーシック・インカム)の導入をめぐる国民投票が行われた。現地メディアは同日、出口調査の結果、反対多数で否決される見通しだと報道。

引用 バラマキ策は否決の見通し、スイスで初の国民投票 全住民に月27万円を支給は… (産経新聞)

全国民に無条件で毎月一定額を支給するベーシックインカムという制度。

他の欧州諸国でも盛んに議論されており、ついにスイスが初めてその口火を切るかと思われましたが、さすがにまだ時期尚早と国民は判断したようです。

今回の投票前の世論調査でも約7割が反対していたというので、投票を行うことで広く国民の間で議論されるようになったという成果はあるものの、まだまだ実現には時間がかかりそうですね。

フィンランドやオランダでは一部の自治体で試験的に導入して検証してみようという方針を出している自治体もあるというので、今後はその辺りの検証結果が待たれることになりそうです。

ベーシックインカムは無理なのか?

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ベーシックインカム制度について筆者は基本的に賛成というか推進派です。

ベーシックインカムの財源を試算してみる。財源確保は余裕そう

ベーシックインカム制度導入で国民は働かなくなる? – んなアホな!

世間は「毎月お金を配るなんてそんなことして本当に社会が成立するの?」という懐疑的な見方が多数を占めるのかもしれませんが、むしろ筆者としては「これからの仕事がどんどん無くなっていく世の中にベーシックインカム制度を導入しなくてどうやって社会を成立させてくつもりなの?」と不思議に感じます。

機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。私は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです

引用 オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった  | 現代ビジネス

仕事が無くなっていくのに、仕事しなきゃ生活費が賄えなくて生きていけないだなんて、矛盾もいいとこです。AIやITのおかげで仕事が無くなっていく社会においては、そういう社会に合った社会制度が必要なのは当然じゃないでしょうか。

自分の仕事、自分の勤め先、本当に必要だと思いますか?

世の中の大半の仕事は、あってもなくてもどうでもいい仕事です。大半の会社そのものがあってもなくてもほとんどどうでもいい会社です。

でも現状、そんな会社に勤めてどうでもいい仕事をして収入を得て、その収入を生活費として社会に還元する、そういう循環が必要です。

ならば、もうそろそろ「どーでもいい仕事」なんかそもそもやらせないで、毎月国民に現金を配って、世の中にお金を回してもらえばいいじゃない。…人工知能が発達したらそういう社会であった方が健全じゃないですか?

システム開発プロジェクトが大炎上して技術者がデスマーチを強いられるとか、IT業界の多重下請け構造の中で下請けベンダーの技術者が理不尽な境遇に置くおかれているとかいったことではない。もっと本質的なものだ。「今つくっているシステムは無価値ではないのか。つまり、あなたは本当に顧客や社会に貢献しているのか」という話だ。

引用 木村岳史の極言暴論! – 作る価値の無いシステムに動員される技術者のマックスな不幸:ITpro

日本での導入の可能性は?

ベーシックインカムの世論調査
(▲ダイヤモンド・オンラインのこちらのページにある投票の“当記事執筆時現在”の投票結果。意外と賛成多数ですね)

日本国民は保守的な傾向が強いですから、ベーシックインカムの導入も先進国の中では後の方になってしまうんでしょうかね。

私は基本的にはベーシックインカムの考え方に賛成です。(中略)社会保障サービス全体をもっと簡素化して、無駄をできるだけ省くことは不可欠だからです。

引用 日本でベーシックインカムは成り立つか|岸博幸の政策ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン

いずれ高齢者の割合がもっともっと増して、若者たちの低賃金労働者の割合も未婚率もどんどん上がって、仕事がどんどん減っていって生活保護受給者が増えて、…誰がどう見ても「おい日本まじでヤバいぞ」ってぐらいにならないと動き出せないんでしょうかね。

そんなことになってから動き出すんじゃ遅いというか、ヘタに飢餓感がある状態になるまで放っておいてからやっと栄養を与えるようなことをすると、一時的とはいえ大きな混乱が生じそうで嫌なんですけどね。

でもそうなるんだろうな。余裕があるうちに大変革を起こすなんてことできないんだろうな。

 

おわり

スイスという国自体のことを詳しく知らないので今回の投票結果から何かを読み取ることはちょっと筆者にはできないんですが、もし出口調査の通りの明らかな反対多数での否決だったら少し残念です。せめて賛成と反対が拮抗していてほしいと願ってしまいます。

まあでも、どこかの国で初めて「これは上手くいくぞ!」という見本が示されたら、その時の各国民の反応はもの凄いことになるのは目に見えているから、とにかく初めがすごく大変、なだけなのかもしれないですね。

 
記事トップ画像出典 TBS