ワトソンにできること。人工知能の活用と共存を真剣に考えるべき時が来たようだ…

ワトソン

IBMが開発した人工知能(*i)『ワトソン(Watson)』について。

この記事では、ワトソンにできることや現状での活用事例、データ解析だけにとどまらないワトソンの「発想力」についてなど、世界が注目するワトソンのことをまとめてみました。

IBM自身はワトソンを人工知能とは定義しておらず、質問応答・意思決定システムとしての「コグニティブ・コンピューティング・システム(Cognitive Computing System)」と定義している。

ワトソンには、売れる商品がわかる


上の動画で語られていることを書き出してみると以下のとおり。

  • 私は4,000以上の白血病の論文を1秒もかからずに読めます
  • 私はたった数週間で新しい言葉が話せます
  • 私は日々制定される膨大な法令も公布翌日には熟知しています
  • 私は過去20年の財務報告書のすべてを把握しています
  • 私は症状が出る前に病気を特定できます
  • 私は婉曲表現や難しい比喩も理解できます
  • 私はネットで話題になる前に売れる商品がわかります
  • 私は22億カ所の天気を同時に予測することができます
  • 私はあなたとともに成長できます

やっぱりちょっと恐怖を感じますねこれ。すごいな。

銀行の融資業務や、投資の助言も

人の言葉を理解する米IBMの認知型コンピューター「ワトソン」。米国生まれで母国語は英語だが猛勉強によって日本語を習得し、三井住友銀行から「内定」を得た。

引用 日本経済新聞

記事では今のところコールセンターでの問い合わせ対応にワトソンを活用する予定とのこと。しかし将来的には融資業務に活用する考えもあるという。(海外では既に投資顧問事業の支援にワトソンの利用を進めているところもある)

三井住友銀行以外にも、メガバンクではみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行もワトソンの導入を進めている。導入には今のところ数億円以上かかるとされているが、それでも複雑な業務の効率化などにより投資以上の効果があるとみられている。

記事内では他にも、日本郵政がかんぽ生命保険の保険金支払業務にワトソンを活用すると発表したと触れている。

アプリでの利用:たくさんの専門家の叡知が手のひらの中に

旅行代理店や情報サービス事業者向けのプログラム開発をしている「WayBlazer」では、ワトソンを使ったシステムを提案している。

その道の専門家に尋ねるより優秀

観光業でのサービスを紹介しよう。例えば、ユーザーは旅行先を探すのに「ビーチリゾートで、子供が退屈しないように遊びの施設があり、しかもおいしいイタリアンレストランのあるところがいいな」といったような要望を出せばよい。これを受け取ったワトソンは、正しく質問を解釈し、膨大なデータベースからユーザーが喜びそうな行き先を提案してくれる。

引用 日経トレンディネット

記事では、曖昧な検索条件でも、ワトソンを使うことにより不適切な情報を排除した検索結果を返すことができるという。

ワトソンは複数の専門家の知識をバックボーンに持ち、学習しているため、まるでたくさんの専門家を集めて相談したかのような「回答」をユーザーは受け取れる。そのためリアルで一人の専門家に尋ねるよりも多くの情報や可能性の中から自分の求めるものに合ったものを提示してくれる可能性が高まる。

発明や発見に近い「新しい回答」を導き出せる

人工知能の開発が進めば、我々人間が強みを持てるのは「人間ならではの発想」だと考える人もいる。しかしワトソンはそんな「発想」すら、可能になりつつあるという。

人間がふとしたことから思いつく「発想」に近いことができる

ワトソンでは莫大なデータを人間では不可能な速度で解析し、最適な対応を導き出せるため、たとえば投資分野においては、アナリストなどから毎日発行される数千以上ものレポートを検証し、次に投資するべきターゲットの候補をピックアップする、といったことも実現できる。

もっとも、これだけであれば、ちょっと気の利いた検索機能と大差ないように思えるが、ワトソンでは莫大なデータから、ワトソン自体が類推して「発見」または「発明」と呼べるような新しい回答を導き出せる点が異なる。現象としては、人間がふとしたことから思いつく「発想」に近い。

たとえばその一例として、料理誌「ボナペティ」と共同で、ワトソンに化学や文化、食品に含まれる成分などの情報を与えることで、新しいレシピを考案する「シェフ・ワトソンwithボナペティ」という試みが行われ、実際にまったく新しいレシピも考案された。これは、単なる検索ではできない機能だ。

引用 マイナビニュース

もはや膨大なデータを読み取り、解析して、条件に合う回答を出すという程度のことは、人工知能開発の世界では“アナログ”なことなのかもしれない。まだ存在しないもの、新しいもの、を人間ではなく人工知能が次から次へと生み出す世界がすぐそこに来ているのかもしれない。

おもちゃにも人工知能が組み込まれ始めている

米国ではワトソンを使った「CogniToys」というおもちゃが登場している。このワニのおもちゃに話しかけると、無線経由でインターネットに接続し、ワトソンがバックボーンで処理をして子供からの質問に答える。子供の年齢や好みを理解して会話のレベルを変えることもできる。

引用 マイナビニュース

ワトソンを使ったアメリカのおもちゃ
画像出典 マイナビニュース

もちろんこの技術は単なるお喋りだけで済ますようなものではない。子どもの話す内容から子どもが抱える悩みであったり何らかの身体的な疾患であったりを周囲の大人以上に早く正確に察知することもできるだろうし、いろんな応用の仕方が考えられる。

ワトソンのある未来

2016-06-06 17.43.23

開発の進歩が早い

ワトソンの開発チーム内では1四半期で通常の1年分の進歩があるという。つまり1ワトソン年=通常の4年分というわけだ。

引用 マイナビニュース

ワトソン事業の担当者ですら、2013年時点で2015年にはどんなことができるようになっているか、全く想像できなかったという。わずか2年先すら読めないほど、進歩が早いという。

「人が中心」から「人工知能が中心」に

IoTとAIというのが組み合わさって価値を生んでいくと、インターネットそのものの定義が大きく変わっていくだろう。今は人が中心のインターネットだが、機械同士がインターネットでつながれるようになる。

引用 newswitch.jp

引用元の記事の趣旨とは少し違うかもしれないが、「人が中心」であったこれまでのインターネットやテクノロジーそのものが、徐々に「人が従う」ものに変化していくのではないかと思われる。

たとえばニュースアプリやSNSアプリのプッシュ通知機能なんかは、ほんの小さなことだけどその初めの一歩と言えるのではないだろうか。その通知がきっかけとなって、人間が動いているという意味で。

またロボット型掃除機もその意味では近いものを感じさせる。リビングでロボット型掃除機を動かしていると、ソファーに座っている人間が足を上げて掃除機の進行を妨げないように動いたりする。何気ないことだが、そういう風景に「人間が中心ではない未来」の兆候を感じさせられる。

ワトソンとの対話

画像分析能力の可能性

トレンドと需要を先取り

言語の微妙なニュアンスの理解

ワトソンの日本語版APIの利用は下記リンクから
リンク IBM Watson(ワトソン) – Japan