【ワークライフハーモニー】定時上がりより、全体としての満足の方が大事じゃない?

ワークライフハーモニー

近年、ワークライフバランスという言葉がもてはやされ、会社を定時であがれること、残業が少ないこと、がその会社の社員が人間らしい幸福な生活を送るために大切なことの一つとしてよく語られているように思います。

でも実際のところどうでしょう。社員が皆定時にあがっていても成長や好業績を維持できるような会社であればそれでもいいかもしれませんが、そんな余裕のある会社は現実にはそう多くないのではないでしょうか。

「残業ゼロ」より「仕事と私生活の調和」

会社の業績が傾くなんてことがあれば、それこそワークライフバランスどころの話じゃありません。元も子もない絵空事になってしまいます。

そして現実問題、一部の大企業(大企業がそもそも全体の中ではごく一部ですが)やほんのひと握りの中小企業以外で、ワークライフバランスを優先して「残業ゼロ」や「有給の完全消化」などを実現できる企業はほとんどないのではないでしょうか。

というか、今世界で活躍している超有名企業だって、実際に中の人に話を聞いてみれば、まあ大抵の企業の社員はかなりの長時間労働をしています。日本を代表する企業とまで言われるトヨタにせよ、ユニクロにせよ。

奴隷と企業戦士は似ているようで違う

そんな紛れも無い現実がある中で、理想論ばかり語っているかのような「ワークライフバランス」に、何の説得力があるというのでしょうか。もし仮に筆者がトヨタに勤めていて、トヨタが全社的に「残業はするな」なんてことを言い出したら、筆者は恐らくトヨタをいつでも辞められるように準備しておくことになると思います。

この競争が世界規模になっている時代に、何をヌルいこと言い出すんだ。仕事好きな奴だけ採ればいいじゃないか。…そう思うでしょう。

ブラック企業とは「報酬がブラック」

労働時間が長ければ「ブラック企業」なのかといえば、そうじゃありません。そんなこと言ったら成長している企業なんかみんなブラックになっちゃいます。「得られる対価」や「得られる自尊心」が見合っているかどうかが大事なんじゃないでしょうか。

居酒屋の店舗で長時間労働させられたらそりゃブラックでしょう。でもその店員が年収1,000万円もらっていたらどうか。それはブラック企業じゃなくて「勢いある会社」になるでしょう。

「時間」じゃなく「調和」

カリフォルニアで開催されたカンファレンスに登壇したアマゾンCEOのジェフ・ベゾスは最近こんなことを語っていたそうです。

いつも終業時刻ばかりを気にしているような惨めな社員ばかりだったら、今の会社の雰囲気は醸成されなかった
私は社員たちに、”ワークライフバランス”よりも、仕事と生活を調和させる”ワークライフハーモニー”を大切にするよう伝えています

引用 ジェフ・ベゾスが語る「ワークライフバランスより大事なこと」 | Forbes JAPAN

幸せな働き方とは何か?

仕事を通して満足のいく報酬(精神的なものも含めて)を得られていたら、その人の人生はおおよそ幸福なものでしょう。

悲しいのは、残業ばかりな上に賃金もさして高くなく、精神的満足度も高くない場合でしょう。特別いい暮らしができてるわけでもないのに旦那はいつも残業で疲れきっているようだったら、そりゃ家庭内にも不協和音が生じてしまうのは当然じゃないかと思います。

でもだからといって旦那が安月給のまま定時に上がられても喜ぶ奥さんはそんなに多くなさそうだし、会社だってそんなことしたら持たないかもしれません。

つまり社員の幸せを本当に願うのであれば、就業時間どうこうの問題じゃなく、業績を上げること。それが何よりなんじゃないでしょうか、実際のところ。どんな組織だって下の者に満足に食わせてやれなければ終わりです。下の者はついては来ません。逆に報酬が大きければ、悪名高くても人は寄ってきます。

「会社としての業績」と「社員の私生活」を両立させるためにはバランスより調和

一発大きな発明でもしてその版権や何かでガッポガッポ儲かるような企業であればいいですが、大抵の企業の場合は一生懸命労働しなければなかなか好業績を維持することはできません。

となれば、今のワークライフバランスという「労働時間」を意識した考え方より、ワークライフハーモニーというある程度の激務を前提とした「その中でどう幸せに生きるか」を考えることの方が、現実的なのではないでしょうか。

結局はやりがい等の「精神的満足」

すべての企業が高い給料を払うことなんて絶対にできません。高い低いの価値は相対的なものだから、どこまで行っても絶対に無理です。

であれば、多くの企業が社員に与えるべき“報酬”として主眼に置くべきなのは、「定時上がりじゃなくても社員が満足してくれるだけの世間相場より高い給料」ではなく、「社員が定時上がりを求めたりしないだけのやりがい」なのではないでしょうか。

社員が会社の近くに住みたがり、夜寝る前には30分だけでも持ち帰った仕事をしたくなってしまうような、そういう「自社に対する好感」や「自分の仕事に対するやりがい」を持たせてやれるような会社こそが、多くの企業が目指すべき「あるべき姿」なんじゃないでしょうか。

 

おわり

ジェフ・ベゾスCEOの語ったとされる「ワークライフハーモニー」という言葉に触れたことをきっかけに、不慣れな社会派記事を書いてしまいました。

ワークライフバランスもいいけど、その目指しているところが「定時上がり!」「残業ゼロ!」というところばかりに注目が集まっているようでどうも個人的には違和感があったので、ワークライフハーモニーという言葉に共感を覚える部分がありました。

別に言葉は「バランス」でも「ハーモニー」でもどっちでもいいけど、とにかく目指すものを履き違えないようにしたいなと思います。ジェフ・ベゾスCEOの言葉を借りるつもりはないけど、終業時間ばかり気にしているような社員の集まりなんて、そんなの嫌ですもん。

そんなことばかり意識しているような社員が集まってる会社なんて、絶対おもしろくないでしょ。人生の時間の大部分を占める仕事から得られる満足がものすごく小さくなっちゃいそうです。そういう会社は趣味に生きたい人だけで集まっていてほしいです。